浮力開閉バルブ式の密閉型空気制動調圧水槽-実施例

【実施例】
本発明の実施方法と、その構造について【図1、図2、図3、図4】を例にあげて説明する。
浮力開閉バルブ式の密閉型空気制動調圧水槽-図1-4-5-6
浮力開閉バルブ式の密閉型空気制動調圧水槽-図2-3
(第1例)
【図1】は、本発明の浮力開閉バルブ式密閉型空気制動調圧水槽の縦断面図、【図2】は、【図1】のA-A線矢視による横断面図である。
(イ) 圧縮空気タンク(1)は、圧力容器であるから、空気漏れのないように鉄筋コンクリート、FRP、鋼材等を用いて単独、又は、組合せて製作する。
(ロ) 水位計測装置は、止水回転軸(7)に水位検出アーム(6)、浮体取付アーム(8)、水位検出浮体(9)を取り付ける。目視確認の水位表示板(5)にて、水位確認をする。なお、水位表示板(5)と水位検出アーム(6)を接触、又は接近させ、電気抵抗、電気パルス等を用いて電気信号による検出の表示もできる。
(ハ) 浮力可動式バルブ(18)は、支柱(15)に滑らかに可動できるように取り付ける。材料は弾性体とし、金属、FRP、ゴム等で中空ボール状に製作し、内部には空気室(2)圧力に抵抗できるように、圧縮ガスを密閉し、中空ボール内部にガス圧力を作用させる。また、水位上昇時に支柱(15)から離脱しないように、浮力可動式バルブ(18)にバルブストッパーを取り付ける。なお、浮力可動式バルブ(18)の形状は、図のように中空球形状でなくてもよい。
(ニ) 制水口止水弁座(14)は、制水口(12)上部に設置する。止水を確実にするべく、ゴム、FRP、合成樹脂、金属等の弾性体で製作し、止水弁座の変形によって止水を確実にする。なお、制水口止水弁座(14)を金属で製作し、浮力可動式バルブ(18)全体をゴム等の超弾性体で製作し、止水を確実にしてもよい。また、浮力可動式バルブ(18)に張り付けても達成できる。
(ホ) 支柱(15)は、浮力可動式バルブ(18)の移動制御と案内棒の役目をする。水位上昇時に、浮力可動式バルブ(18)の離脱防止のために、支柱(15)上部にバルブストッパー受台(16)を取り付ける。
(ヘ) 空気室(2)への圧縮空気圧入は、空気コンプレッサー(10)(可搬式コンプレッサーも可能)を用いてする。空気室圧力の計測は、空気室圧力検知器(4)(ブルドン管等)を用いて検出測定する。なお、水位検出機と圧力検知器の検出を電気信号に変換し、熱力学法則(PVx=一定)を用いて、空気室体積(V)、圧力(P)を自動制御することも可能である。(注:何らかの原因によって、空気室(2)内の空気が漏れる場合に用いると効果的である。)

(第2例)
【図3】は、浮力可動式バルブ(18)と水位計測装置(6、7、8a)を一体化した縦断面図、【図4】は、【図3】のA-A線矢視による横断面図である。
(イ) 圧縮空気タンク(1)、止水回転軸(7)、空気室圧力検知器(4)、水位計測装置、制水口止水弁座(14)の構造は、(第1例)と同様である。したがって、(第1例)に記述のない構造について説明する。
(ロ) 浮体取付けアーム(8a)は、できる限りしなやかに弾性変形する構造体とする(例:陸上競技棒高飛びのポール、竹等)。そのような構造にすれば、水位検出兼用浮力可動式バルブ(9a)(注:以下浮体バルブと略記する)が、制水口止水弁座(14)に密着している場合に発生した水撃圧を、浮体取付アーム(8a)が吸収し、異常時の水撃圧が緩和される。
(ハ) 浮体アーム受台(16a)は、圧縮空気タンク壁に取り付ける。急速水位上昇時に浮体バルブ(9a)が水面に埋没し、正常時以上の浮力を受けて浮体バルブ(9a)が上昇回転するが、過度の変位を防止するために設置する。また、浮体アーム受台(16a)と浮体取付アーム(8a)の接触するところは、浮体バルブ(9a)の運動エネルギーが衝突力(F=m・α)に変換される場所であるから、衝突力を緩和するように、【図3】の16aにしめすリング状、又は、バネ等によって、衝撃力を吸収する構造にする。

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